レーシングシム レビュー

Cube Controls「SP01」レビュー

Cube Controlsから機材提供いただき「SP01」をレビューしました。

公式販売ページはこちら「Cube Controls SP01」

Cube Controls SP01 のレビュー動画

Cube Controls SP01 の評価

製品デザイン
9
製品の操作性(ペダルの操作性、調整箇所があるか等)
9
製品の剛性感(本体の強度)
6
製品の拡張性(ソフトウェア等)
7
製品の互換性(ゲーム機、PC、ホイールベース等との互換性)
3
製品の価格(価格に見合った機能等があるか)
9

合計点数 43点 / 60点

スペック

◆スロットル
カーボンファイバーペダルパッドフェイスプレート(フォーミュラバージョンのみ)
メインシャフトの専用ノブによりペダルスローを調整可能
スプリングプリロード調整が簡単に行えます
精密機械加工されたメインシャフトと高耐摩耗性メッキ
最もスムーズな操作を実現する公差加工された自己潤滑性ナイロンスリーブ
16ビット分解能のホールセンサー
メイン制御電子機器用の USB-C コネクタ

◆ブレーキ
テクスチャードグリップを備えたカスタム軽量ダイキャストパッドフェイスプレート
メインペダルのスプリングプリロードオプションとコンプレッションエレメントのプリロードリングを微調整可能
精密機械加工されたメインシャフトと高耐摩耗性メッキ
16 のプリロード設定が可能なカスタム設計の完全油圧式ダンパー
いくつかのスプリングとゴム製ダンパーの圧縮要素が利用可能
セルフセンタリングスプリングおよびダンパーワッシャー
200kg精密ロードセル
16ビット解像度

・価格 1.133 €
・PCとの接続はUSB


レビューのまとめ

  • プリロード調整が設定できる油圧式ダンパーを搭載
  • これまでのペダルセットからは想像できない美しい外観とデザイン
  • 現行製品の中でもトップレベルのメンテナンス性

今回のレビュー記事は冒頭にあるレビュー動画から1年ほど使用した長期使用後のレビュー記事にしたいと思いますが、まず始めにブレーキペダルの設定が「硬い」「柔らかい」についての認識合わせをします。

一般的なロードセルブレーキの場合、構造上スプリングが最初に潰れて次にエラストマーのゴムが潰れることでブレーキペダルの感触を再現しているかと思います。

このような構造でブレーキペダルが柔らかいを言葉で表現すると、踏み始めからそれなりの踏力で踏み続けてもエラストマーのゴムが潰れ続ける感触が続き底突きするような感覚がほぼ感じられない。別の言い方をするとゴムの感触がグニグニしている。
スプリングやエラストマーのゴムは製品に付属している中で柔らかいもの、多くの製品において購入時の設定がここでいう柔らかい設定になっている。

ブレーキペダルが硬いを言葉で表現すると、踏み始めはスプリングが一瞬で潰れてエラストマーのゴムが硬いため底突きが感じられてまるで壁や地面を踏んでいるような感覚でブレーキの踏力を調整する。
スプリングは一番やわらかいものでエラストマーのゴムは製品に付属している中で最も硬いもので設定するとここでいう硬い設定になる。

という上記の認識を合わせた上で僕が好みだなと感じたのはブレーキペダルが硬い設定です。

過去にSim Pedals Sprintでも硬い設定にしたときに使いやすいと感じていたものの、その設定で走っているとSim Pedals Sprintを使っている意味がないというようなことを言われたことがきっかけで柔らかい方向の設定で乗るようになり、冒頭のレビュー動画や過去に使ってきたペダルセットでは柔らかい設定で使ってきましたが、SP01を使っている間に試した硬い設定のほうが改めて使いやすい・コントロールしやすいと感じました。

Sim Pedals Sprintでも硬い設定で使いやすいと感じたのでSP01でもほぼ同様の感触を得られたのですが、Sim Pedals SprintとSP01の決定的な違いは油圧式ダンパーが搭載されているかいないかです。

初期がスカッと抜けるくらい軽く硬いエラストマーに当たったあとにブレーキ踏力をコントロールする、というところに油圧ダンパーを加えることで少しだけ反力をもたせることができるのです。
別の言い方をするとスカッと抜けるところを油圧ダンパーのクリックを上げるごとにもたつかせられる、もっさりさせることができる、抵抗を与えることができる、という感じです。

これにより硬いブレーキのニュアンスは残しつつ踏み始めで勢いよく底突きまで行く間のコントロール性を上げることができるというイメージです。

Sim Pedals UltimateやSimtrecsのPro Pedalにも油圧ダンパーが搭載されていますが、この2機種では油圧ダンパーの効き具合を調整することができないため現在のペダルセット市場において油圧ダンパーの調整をダイヤルで手軽に調整することができるペダルがSP01ということです。

この調整に辿り着く前、冒頭のレビューの段階でも実際にタイムが上がっていたので満足していたのですがこの設定にしてからはさらに満足しています。
正直なところ、一年ぶりに復帰したiRacingでタイムの伸び悩みを感じていたのでペダルをSim Pedals Sprint、VRS Pedal、XP1の3機種を買ってレビューついでに試してみようかなと思っていたくらいですが、この設定を見つけることができたので購入は止めることにしました。
※本当はActive PedalとかCool Performanceのペダルも買っちゃおうかなと真剣に考えていた。

ということで長期的に使用した結果、冒頭のレビュー動画のときと変わらず最高の評価を与えても良いと感じていますが、唯一の欠点と感じるのはペダルセットとして少しだけ剛性感が足りないのかなというところが挙げられます。
これは脇阪さんや冨林選手、KMR Racingの田中さんにレビューしてもらった際にも指摘されていた点です。

レーシングドライバーがリアルの運転に対しての練習には不向きかもしれませんが、一般的なシムレーサーが使用するにはまったく問題ないのかなと思いますので、興味がある方は是非SP01を試してみて下さい。
※僕が使っている設定は赤スプリングに赤エラストマーで、油圧ダンパーは0から好みに応じて上げて試してみてください。


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